こんにちは、ろむです。
本記事を執筆すると言いながら、随分間を開けてしまいました。申し訳ありません。
別にここのところ忙しくあったわけではないのですが、やることはあったのでそればかりをしていたら日が開いてしまったのです。
いくつかの展示物を挙げつつ話していきたいと思っています。撮影可、また、非営利目的であれば使用も可とのことでしたので、少々重たいページにはなってしまいますが、いくつか写真を交えて紹介できたらと思っています。
「Noumenon」
展示に入ってまず出くわすのがこの作品です。
どういうものかと言われれば、ランダムな色の光を発するディスプレイです。ポリゴンショック。早速 Alternative な感じが出てます。
この記事をご覧になっている方同様、当然のことながら私と彩季はこの時点で当惑していたのですが、この展示企画自体が、日常(LIving)から離れた、異質な(Alternative)日常を作り出す?といったものだそうで、こうした家具が展示されているそうです。
ディスプレイ上の模様は上から樹脂がぶちまけられたことによって作られたものらしく、物質的なランダムさ+ランダムな色の光による不規則さが無意味な情報として在る。普段我々はスマートフォン、テレビを見るとき、あくまで情報を見ているのであってディスプレイそのものを見ていない、ディスプレイそのものを注視し、情報を排他したらどうなるかと言われれば上の作品になるだろう、といったことらしいです。
全く情報があることを知らない動物とかが、スマホを見ながら歩いている人を観察しているとき、もしかしたらディスプレイはこんな感じに見えているのかもしれないな、と思いました。客観的に見たディスプレイ、といった感じでしょうか。
「Death by proxy」
破壊され、さらには鉄パイプによって貫通されたテレビです。
一見は壊れたテレビですが、ジャンク品としてみるか、芸術作品としてみるかによって価値が変わる感じの作品だと感じました。こうした一見芸術的価値のないものを芸術として仕立てるのはデュシャンの「泉」を彷彿とさせます。
彩季氏的には、震災によって止まった時計に価値があることを挙げて、その「破損」は再現可能性があるかが、ジャンク品を価値あるものたらしめているのではないかとの考えであり、当作品にはやや懐疑的な反応でした。実際、再現可能性のあるジャンク品を芸術作品であると考えてしまうと、広くとらえればジャンク品は芸術作品である、とも言えかねないので、結構グレーなところを攻めているのは同意します。
「Inner sky」
時々ランダムな音を発している作品で、結構印象的でした。
どうやらクラウド上の情報(左)や、AIの出現(右)を受けた作品だそうで、左の作品がランダムな音を一定間隔ごとに発しており、世界中の人間がクラウド上の情報にアクセスしていることが音によって表現、右の作品はAIという未知性がランダムな光を発することで表現されている感じ...?なのでしょうか。
《3D to 4D》とも表現されており、不規則な面体が、Blenderによって構成された(3D)が、現実に存在(4D)したことを意味するのかなと思いました。
不規則な音によって情報を表現というのが、「Lain」における電線を伝って情報が伝達され、そのノイズによって情報を表現する手法と似たような感じがしました、今風の表現をすればこんな感じになるんですかね?
「透壁」
壁がない壁...、壁のないリビングを現しているそうで、これは美術館などが「ホワイトボックス」と呼ばれ、仕切られた空間であることに対して、仕切りのない、境界のあいまいな壁を作ることによってそれを打ち破るみたいな感じだそうです。ですが、私としては、むしろ空間を構成してるこの建物全体がホワイトボックスへと拡大解釈されただけで、異質なリビング(Alternative Living)の家具含めて一体的な展示物になっただけな感じがしました。さらに、そうして展示物になることによって、ほかの異質な家具たちが完全に展示物になり、リビングでもなくなってしまう感じがします。
どうすればよかったんだろう。外、かつ中の家具は普通の家具だったら私は納得できたのかもしれないです。
本当は結構作品はあったのですが、全てを見きることはできなかったり、はっきりした感想が出なかったり(ヌル鏡止水とかもおもしろくて好きだったのですが、DeepDreamみたいで、こういう映像作ってみてぇ~くらいしか感想が出てこず...)と、わずかですがこれくらいになります。
個人的には彩季と二人で話しながら作品を見ていた(結構話しながら観ててもOKなラフな場所でした)のですが、スタッフの方が「そんなに感想出てくるのすごいですね、アーティスト関係の方ですか?」みたいなのを言われたのが少しうれしかったです。おれって単純なんだな。
以上